- なん
- I
なん(係助)⇒ なむ(係助)IIなん(終助)⇒ なむ(終助)IIIなん(連語)⇒ なむ(連語)IVなん【何】〔「なに(何)」の転〕※一※ (代)不定称の指示代名詞。
「なに{※一※}」に同じ。 「なに」がその下に助詞・助動詞などを伴って用いられるとき, 話し言葉では「なん」の形となることが多い。 「これは~だ」「~で知ってるの」「~と言ったらいいかな」「~の話でしょうか」「なにが~でも明日は行くぞ」
※二※ (接頭)名詞およびそれに準ずる語(多くは漢語の助数詞や単位を表す外来語)に付いて, 数量・時間・順序・程度などが疑問であること, または不定であることを表す。「~往復」「~種類」「~千~百」「~時」「~等」「~メートル」「~カロリー」「~枚」
→ なんか→ なんぞ→ なんだ→ なんで→ なんと→ なんの~であれどんなものであっても。「理由が~けんかはよくない」
~にせよどのような理由・事情があるとしても。 何にしろ。 いずれにせよ。「動機は~, 犯した罪は裁かれねばならない」
~や彼(カ)や「なに(何)やかや」に同じ。Vなん【男】(1)おとこ。 [日葡](2)息子。VI「わが三歳の~, 成人の後掘出してとらせよ/曾我 4」
なん【軟】やわらかいこと。 しなやかなこと。 また, そのさま。VII「硬~取りまぜる」「体稍々~として綿の如し/花柳春話(純一郎)」
なん【難】(1)わざわい。 災厄。 危難。「水火の~」
(2)とがめられるべき点。 欠点。 弱点。「~をいえば, 少々体が弱い」
(3)むずかしいこと。 困難。「団結して~に当たる」
(4)なじること。 非難。 難癖。「京童部が申候はん事, 後日の~にや候はんずらん/平家 1」
~付・く(1)〔「つく」は下二段活用〕「難を付ける」に同じ。「世にも~・けられ給はぬおとどを, 口にまかせてな貶(オト)しめ給ひそ/源氏(真木柱)」
(2)〔「つく」は四段活用〕非難される。 けちがつく。「私が内証の自分仕事にしませう時には家に~・かず/浄瑠璃・氷の朔日(上)」
~無・し(1)非難すべき点や不都合な点がない。「有職の人々に見せられけるに, いづくも~・しとて/徒然 33」
(2)困難や危険がない。「合戦するに~・く打ち勝つて/曾我 7」
→ 難なく~に臨(ノゾ)んで遽(ニワカ)に兵(ヘイ)を鋳(イ)る〔「晏子春秋(内篇雑上)」による。 「兵」は兵器の意〕危急に迫られてあわてて準備をしても間に合わないことにいう。~を付・けるけちをつける。 欠点をあげる。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.